【子どもがご飯を食べないのはなぜ?】幼児の少食・偏食にできる7つの工夫

子どもの育ちを知る

こんにちは、シロロです。

「うちの子、あまりご飯を食べないんです」

「好きなものしか食べなくて心配です」

保護者の方から、このような相談を受けることがあります。

幼稚園でも、年少児は給食をたくさん残すことがあります。ところが、年中、年長になるにつれて、少しずつ食べる量や食べられるものが増える子もいます。

幼児期の「食べない」には、食欲の波、口の感触、食べる力、「自分で決めたい」という気持ちなど、さまざまな理由があります。

大切なのは、無理に食べさせることではありません。

食べない理由を考え、生活リズムや空腹の状態を整えながら、食卓を安心できる場所にしていくことです。

今回は、幼児がご飯を食べない理由と、家庭や園でできる関わり方をお伝えします。

★この記事を書いた人

シロロ

現役の幼稚園教諭
保育歴17年。保育士資格を持ち、子育ても経験してきました。
「遊びは学びのはじまり」を大切に、園でも家庭でも役立つヒントをやさしくお届けしています。

私も、息子の少食を心配していました

私の息子も、2歳ごろは遊ぶことに夢中で、あまり食べない子でした。

「今日はたくさん体を動かしたから、きっといっぱい食べるだろう」と思っても、疲れて食べずに寝てしまうこともありました。野菜もほとんど食べず、食べられるものも決まっていたため、当時はとても心配しました。

それでも、小学校の給食でさまざまな料理に出会い、少しずつ食べられるものが増えていきました。

大きくなった今でもピーマンは苦手です。ところが、宿泊体験で出た「おいしいピーマン」は食べられたそうです。ピーマンの違いがわかったのでしょうか(笑)。

同じ食材でも、味付けや調理方法、食べる場所、一緒にいる人によって「食べてみよう」と思えることがあります。

小さいころに食べなかったからといって、ずっと食べられないとは限りません。一方で、大人になっても苦手なものが一つや二つ残ることもあります。

何でも食べられることだけを目標にしなくても大丈夫です。いろいろな食べ物に出会いながら、子どもは少しずつ自分なりの食べる力を育てていきます。

幼児期の少食や偏食は、珍しいことではありません

幼児期には、少食、偏食、むら食いなどが起こりやすくなります。

昨日はよく食べたのに、今日はほとんど食べない。家では食べるのに、園の給食は残す。好きだったものを、急に食べなくなる。このような姿もよくあります。

一食ごとの量だけを見ると心配になりますが、子どもの食欲は体調、睡眠、運動量、気分などによって変わります。一回の食事だけで判断せず、数日から1週間くらいの中で見ていきましょう。

こども家庭庁の『乳幼児健康診査事業実践ガイド』でも、むら食いは1週間単位で平均的に食べているかを確認し、無理強いせず、食事のリズムや環境を整えることが示されています。

元気に遊び、その子なりに成長しているなら、一食の量だけで焦らなくて大丈夫です。ただし、体重が減る、成長が止まるなどの心配があるときは、早めに専門家へ相談しましょう。

子どもがご飯を食べない6つの理由

1.成長の速さや食欲には個人差がある

赤ちゃんの時期を過ぎると、体の成長は少しずつゆるやかになります。食べる量が思ったほど増えなかったり、食欲に波が出たりすることがあります。

大人が考える「このくらい食べてほしい」と、その日の子どもが必要とする量が同じとは限りません。兄弟や友達と比べず、その子の様子を見ることが大切です。

2.初めての食べ物を警戒している

幼児期には、見慣れない食べ物を警戒することがあります。色、形、においがいつもと違うだけで、口に入れようとしない子もいます。

一度食べなかったからと、すぐに「嫌い」と決めなくても大丈夫です。見る、触る、においをかぐ、少しなめてみる。それも食べ物と仲良くなるための経験です。

3.味ではなく、感触や食べにくさが苦手

子どもが嫌がっているのは、味だけとは限りません。

  • 硬い、パサパサする
  • 皮や筋が口に残る
  • においが強い
  • 熱すぎる、冷たすぎる
  • 食材が混ざっている
  • 見た目がいつもと違う

幼児期は、かむ力や飲み込む力も育っている途中です。小さくする、やわらかくする、とろみをつける、食材を分けて盛るなど、その子の発達に合う安全な形や硬さにすると食べやすくなることがあります。

4.「自分で決めたい」という気持ちが育っている

幼児期は、自分の意思がはっきりしてくる時期です。

「これがいい」「これはいらない」「自分で食べたい」という気持ちが、食事の場面にも表れます。

大人は食事の時間や内容、安全な環境を整え、子どもの空腹や満腹のサインを大切にしましょう。WHOも、子どものサインに気づき、励ましながらも無理強いしない「応答的な食事介助」を勧めています。

5.給食の環境にまだ慣れていない

家庭では食べるのに、園の給食になると食べられない子もいます。味や見た目、盛られた量、周りの音、食べる時間など、家庭と違うことがたくさんあります。

特に年少児は、園で過ごすだけでも緊張し、疲れています。私の保育経験では、年齢が上がるにつれて、園の味や流れに慣れ、友達の姿に刺激を受けながら、少しずつ挑戦できるようになる子もいました。

もちろん発達には個人差があり、年長になれば必ず何でも食べられるわけではありません。食べる力が育っている途中の姿として見守りたいですね。

6.食事の時間に、まだおなかがすいていない

間食は、子どもに必要な栄養を補う大切なものです。ただし、お菓子、ジュース、パン、乳飲料などを食事の直前まで口にしていると、食事の時間におなかがすかないことがあります。

食べる時間と量をだいたい決め、食事までおなかを休ませましょう。よく遊び、おなかがすき、ご飯を食べ、夜は眠る。その繰り返しの中で、子どもは少しずつ空腹と満腹の感覚を覚えていきます。

家庭でできる7つの工夫

心配になると、「あと一口だけ」「全部食べたらデザートだよ」と言いたくなりますよね。

でも、勧めることと無理強いは違います。「触ってみる?」「食べなくても、ここに置いておくね」と逃げ道を残すと、子どもは安心して食べ物に近づけます。

1.食事とおやつの時間をだいたい決める

毎日まったく同じでなくても大丈夫です。食事とおやつの間を少し空けることで、自然に空腹を感じやすくなります。

2.最初は少なく盛る

大人から見ると少なすぎるくらいでもかまいません。食べ終わったら、おかわりできるようにします。最初から山盛りにするより、「食べられた」と感じやすくなります。

3.食べ慣れたものを一品入れる

すべてが苦手な料理だと、子どもは食卓に座るだけで不安になります。食べ慣れたものと、新しいものを一緒に出すと安心できます。

4.食べなくても、忘れたころにまた出す

一度食べなかっただけで、嫌いと決めなくても大丈夫です。食べなかった日は静かに片づけ、しばらくしてから、少ない量で、切り方や味付けを変えて出してみましょう。

アメリカ小児科学会の保護者向け情報でも、新しい食べ物を受け入れるまでには何度も出会うことがあり、嫌がっても後日また食卓に出す方法が紹介されています。

5.食べた量だけを褒めない

「全部食べてえらい」だけでなく、「においをかいでみたね」「少し触れたね」「自分で選べたね」と、食べ物に興味をもった姿も認めましょう。

6.大人がおいしそうに食べる

「食べなさい」と言われるより、大人が楽しそうに食べる姿の方が、子どもの興味につながることがあります。

「おいしいでしょ?」と答えを求めず、「シャキシャキしているね」「今日は甘いね」と、自分が感じたことを伝えるだけで十分です。

7.野菜を育てたり、料理に参加したりする

園で育てた野菜を収穫すると、普段は野菜を避ける子も、触ったり、においをかいだりします。

すぐに食べなくても大丈夫です。土に触れ、水をあげ、大きくなる様子を見て、収穫する。洗う、ちぎる、混ぜる、運ぶなど、子どもができることを任せてみましょう。

「自分たちで育てた」「自分で作った」という経験が、食べてみようとするきっかけになることがあります。

幼稚園でできる工夫

園では大勢の子どもが同じ給食を食べますが、その中でも一人ひとりの発達や食べる力を見ながら工夫できます。

  • 最初の量を少なくし、おかわりできるようにする
  • 年齢やかむ力に合った大きさや硬さにする
  • 苦手なものを無理に口へ運ばない
  • 食べた量を友達と比べない
  • 食べられない理由を観察する
  • 楽しい会話のある食卓をつくる
  • 育てた野菜を給食や活動につなげる
  • 家庭と、食べやすかった条件を共有する

家庭に伝えるときも、「今日も食べませんでした」だけでは、保護者が不安になります。

「汁物は自分から飲みました」「小さくすると一口食べられました」「野菜に触って、においを確かめていました」など、小さな変化も一緒に伝えたいですね。

給食の目標は、全員が同じ量を残さず食べることだけではありません。

いろいろな食べ物に出会い、友達や先生と一緒に食べる楽しさを知ることも、大切な経験です。

こども家庭庁が掲載する『保育所における食事の提供ガイドライン』でも、栽培、収穫、食事の準備などを日々の生活とつなげ、人と一緒に食べる楽しさを経験することが大切にされています。

こんなときは専門家に相談しましょう

食べないことの多くは発達の途中で見られますが、次のような場合は、小児科、歯科、管理栄養士などに相談しましょう。

  • 体重が減っている
  • 身長や体重の伸びが止まっている
  • 食べられる食品が極端に少ない、またはさらに減っている
  • 食べると何度もむせる、せき込む
  • 食べ物を口の中に長くためる
  • かむと痛がる
  • 食後によく吐く
  • 元気がない、疲れやすい
  • 食事のたびに親子が強いストレスを感じる

相談することは、大げさではありません。その子が食べにくい理由を、一緒に見つけてもらうためのものです。

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まとめ|食べる力の根っこを育てよう

今、たくさん食べられることだけが目標ではありません。

おなかがすく感覚。満足したら終わりにする感覚。食べ物に興味をもつこと。自分で選ぶこと。誰かと一緒に食べる楽しさ。

育てた野菜に触れる。料理のにおいを感じる。苦手なものを見て、今日は触ってみる。その一つひとつが、食べる力につながっています。

無理に食べさせなくても大丈夫です。

まずは生活リズムを整え、よく遊び、自然におなかがすく毎日をつくること。そして、食卓を安心できる場所にすること。

シロロ
シロロ

焦らず、比べず、子どもが自分のペースで育てる「食べる力」を見守っていきたいですね。

🎵子どもの発達について、歌でわかりやすく解説しています YouTube「シロロ」もぜひご覧ください

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📚️参考資料


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