こんにちは、シロロです。
「まだ帰らない!」
「まだ遊ぶ!」
公園や児童館から帰ろうとすると、子どもがこう言って動かなくなること、ありますよね。
何度声をかけても帰ろうとしない。夕食の準備もある。下の子もぐずっている。だんだん時間がなくなって、つい、
「もう置いてっちゃうよ」
「じゃあ、もう知らないからね」
そんな言葉が出てしまうこともあるのではないでしょうか。
私も子育て中、言ってしまったことがあります〜笑。
幼稚園教諭として17年間、たくさんの子どもたちと関わってきました。それでも、自分の子育てとなると余裕がなくなることがあります。
だから、この記事で「そんな言葉を使ってはいけません」とお父さんお母さんを責めたいわけではありません。
大切なのは、一度も間違えない完璧な親になることではなく、子どもの気持ちを受け止めながら、必要なことをどう伝えるか。そして、言い過ぎてしまった後に、どう関係をつなぎ直すかだと思います。
★この記事を書いた人

現役の幼稚園教諭
保育歴17年。保育士資格を持ち、子育ても経験してきました。
「遊びは学びのはじまり」を大切に、園でも家庭でも役立つヒントをやさしくお届けしています。
子どもにも、子どもなりの予定がある
大人には、帰った後の予定があります。夕食を作る、お風呂に入れる、明日の準備をする。だから時計を見て、「そろそろ帰らなければ」と考えます。
でも、子どもにも予定があります。
- あと一回、すべり台をすべりたい
- 作っているお山を完成させたい
- 次はブランコに乗りたい
- お友だちと、もう少し遊びたい
大人には同じ遊びを続けているように見えても、子どもの中ではまだ途中なのかもしれません。夢中になっているところへ突然「帰るよ」と言われたら、すぐに気持ちを切り替えられないのも自然なことです。
「わがまま」と決めつける前に、子どもにも子どもなりの予定があると考えると、見え方が少し変わります。

「置いていくよ」は、大人に余裕がないときに出やすい
何度言っても動いてくれない。予定の時間を過ぎている。大人も疲れている。「置いていくよ」は、時間や心の余裕がなくなったときに、つい出てしまう言葉なのだと思います。
できる日には、帰る時間を少し早めに考えたり、早めに声をかけたりして、大人側にも余裕をつくれるとよいですね。でも、毎日余裕を持てるわけではありません。そんな日のために、短い言葉を用意しておくことも大切ですね。
本当に置いていくつもりはないのに、「置いていくよ」と言われると、子どもは「まだ遊びたい。でも本当に置いていかれたら怖い」という気持ちになります。怖くて動けたとしても、気持ちを切り替えられたわけではないのかもしれません。
だから、怖さで動いてもらうのではなく、「まだ遊びたい」という気持ちを受け止めながら、次に何をするのかを具体的に伝えていきたいですね。

帰りたくない子への4つの対応
1.気持ちを受け止め、帰ることははっきり伝える
まず、子どもの気持ちを言葉にします。
「まだ遊びたいよね」
「楽しかったね」
「もっとすべり台をしたかったんだね」
共感することは、希望をすべてかなえることではありません。
「まだ遊びたいよね。でも、今日は帰る時間だよ」
気持ちは受け止める。でも、安全や生活に関わる「帰る」という境界は大人が保つ。この二つは同時にできます。
2.帰る範囲の中で、二つから選んでもらう
「帰る?帰らない?」ではなく、帰るまでの方法を選べるようにします。
「最後は、すべり台とブランコ、どっちにする?」
「自分で歩く?手をつないで歩く?」
「公園に『バイバイ』する?『また来るね』って言う?」
帰ることは変わりませんが、その範囲で自分で選べると、「自分で決められた」という感覚を持ちやすくなります。選択肢は二つくらいが分かりやすいです。
3.終わりと、その次の見通しを伝える
年齢や発達によっては、「あと5分」だけでなく、「あと2回」など行動で伝えるほうが分かりやすいことがあります。
「すべり台をあと2回したら帰るよ」
「タイマーが鳴ったら、最後にもう1回して帰ろう」
「このお山ができたら、写真を撮って帰ろう」
「次は靴を履いて、車に乗って、お家に帰るよ」
「予告する→最後の1回→遊具にバイバイ→帰る」のように、毎回同じ流れにするのも一つの方法です。
ただし、予告は万能ではありません。発達障害などのある子どもの移行場面を扱った研究レビューでも、予告が役立つ場合がある一方、難しさの理由や移行内容によっては効果が限られるとされています。その日の疲れや遊びの状況、年齢や発達に合わせ、使い方を調整しましょう。「予告したのに帰れない」と自分や子どもを責めなくて大丈夫です。
4.余裕がない日は、短い言葉でよい
長く説明できないときは、次の言葉だけでも十分です。
「まだ遊びたいね。でも帰るよ」
「歩く?抱っこにする?」
「気持ちを受け止める」「帰ることを伝える」「できれば二つから選んでもらう」。まずはこの三つを意識してみてください。
場面別|そのまま使える声かけと安全な対応
- 何度言ってもやめないとき
「まだ遊びたいね。でも今日は帰るよ。最後は何にする?」 - 「イヤ!」と泣いたとき
「帰りたくないよね。泣いても大丈夫だよ。でも今日は帰ろうね」 - 自分で動こうとしないとき
「自分で歩く?手をつないで歩く?」
大泣きして寝転んだときは、本当に大変ですよね💦何度も説明して納得させようとしなくて大丈夫です。
「もっと遊びたかったね」
「ここにいるよ。でも今日は帰るよ」
短く伝え、まず安全を確保します。道路や駐車場、動いているブランコや遊具の周辺では、必要に応じて「安全な場所まで一緒に移動するね」と伝え、手をつなぐ、抱っこするなど、その子の体格や様子に合った方法で移動を助けます。
その場が危険なときは、落ち着くのを待つより安全な場所への移動を優先します。すでに安全な場所にいて、無理に抱き上げると転びそうな場合は、周囲の危険物や通行を避けて見守りましょう。罰として運ぶのではなく、「今は自分で動くのが難しいから、大人が安全を守る」という考え方です。

「置いていくよ」と言ってしまった後のフォロー
言ってしまっても、そこで終わりではありません。落ち着いてから、伝え直してみてください。
「さっき、『置いていくよ』って言ってごめんね。怖かったよね。本当に置いていくつもりはないよ。お母さんも焦っていたんだ。もっと遊びたかったよね」
言ったことを認める。子どもの気持ちを想像する。本当に伝えたかったことを話す。そして「置いていかないよ」と安心を返します。
一度も行き違わない親子を目指すより、行き違った後につなぎ直すことが大切です。親が謝る姿は、子どもが「間違えたら謝っていい」「言い直していい」と学ぶ機会にもなると思います。
また普段から、行動や結果とは関係なく、存在そのものへの愛情を伝えていきたいですね。
「〇〇ちゃんと一緒にいられて、うれしい」
「怒っているときも、泣いているときも大切だよ」
「大好きだよ」
言葉だけでなく、抱きしめる、目を見て笑う、話を聞くといった日々の関わりも、「自分は愛されている」という安心につながります。
まとめ|気持ちまで公園に置いていかない
子どもが「まだ帰らない!」と言ったときは、
- 「まだ遊びたい」気持ちを受け止める
- 帰ることは大人が伝え、その範囲で二つから選んでもらう
- 終わりと次の見通しを伝える
- 言い過ぎたら、謝って安心を返す
大人の時間と心の余裕は大切です。でも、毎日余裕を持てなくても大丈夫。言い過ぎたら言い直し、また次の機会にやり直せばよいのです。
帰る時間は、大人が決めていい。でも、「まだ遊びたい」という子どもの気持ちは置き去りにしない。
子どもの体は家に連れて帰っても、気持ちまで公園に置いていかない。
そんな関わりを、できる日から少しずつ始めてみませんか。
🎵子どもの発達について、歌でわかりやすく解説しています YouTube「シロロ」もぜひご覧ください
→近日公開予定
📚️参考資料
- こども家庭庁「しつけ?体罰?これってどっち??」
- こども家庭庁「保育所や認定こども園等におけるこどもの意見の尊重等に関する調査研究(令和6年度)」
- CDC “Tips for Relying on Routines and Rules”
- CDC “Steps for Giving Good Directions”
- Brewer et al. (2014), “Advance Notice for Transition-Related Problem Behavior: Practice Guidelines”
- Kemp et al. (2016), “Can We Fix This? Parent–Child Repair Processes and Preschoolers’ Regulatory Skills”

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