こんにちは、シロロです。
「自分でやる!」
そう言ったのに、うまくいかなくて泣き出す。怒り出す。
見かねて手伝おうとすると「じぶんで!!」と余計に怒る。
「じゃあ、どうしたらいいの…」
そんな場面、経験したことありませんか?
私も経験しました。
保育者として17年間、そして一人の母として子育てをしてきた私が、今日はこの「自分で!」の時期について、脳の仕組みと自分の実体験からお話しします。
★この記事を書いた人

現役の幼稚園教諭
保育歴17年。保育士資格を持ち、子育ても経験してきました。
「遊びは学びのはじまり」を大切に、園でも家庭でも役立つヒントをやさしくお届けしています。
なぜ「自分で!」と言うようになるの?
2〜3歳頃になると、子どもの中に「自分でやりたい」という気持ちが芽生えてきます。
これは、その子の中に「自分」という意識が育ってきた証です。とても大切な成長のサインなのです。
着替えもご飯もなんでもママやパパの力を頼っていたのに、ある日突然「じぶんで!!」と言い出す。
やってもらったほうが楽なのに、苦難な道を選ぶ。それだけでも成長の証なんです。
でもここに一つ、大きな壁があります。
「やりたい気持ち」と「実際にできる力」の間に、大きなギャップがあることです。
心では「できる!」と思っている。でも体はまだ思い通りに動かせない。
このギャップが、あの独特の「もどかしさ」を生み出しています。
なぜ泣いたり怒ったりしてしまうの?
「できないなら、泣かずに手伝ってもらえばいいのに」
大人からするとそう思うかもしれません。でも子どもには、それができない理由があります。
2〜4歳頃の子どもの脳では、感情をつかさどる部分(扁桃体)が活発に働く一方、理性をつかさどる部分(前頭前野)はまだ発達の途中です。
つまり、強い感情がわき上がったとき、それを自分でコントロールする力が、まだ十分に育っていないのです。
わがままでも、性格が悪いわけでもありません。
脳が、今まさに育っている途中だからなのです。
「ママみたいにできる」と思っているの?年齢で変わる理由
ここで、私自身の疑問でもあった部分をお話しします。
「なんでも大人みたいに、お兄ちゃんお姉ちゃんみたいにできると思っているのかな?」
実はこれ、年齢によって理由が少しずつ変わっていくことがわかっています。
2〜3歳頃
主な理由は「やりたいのにうまくできないもどかしさ」です。まだ自分と他人を比べるという感覚は薄く、単純に「思い通りにいかない」ことへのいら立ちが中心です。
4〜5歳頃
ここから少しずつ、「他者との比較」「不公平感」という、より複雑な感情が関わってくるようになります。
「お兄ちゃんはできるのに」「ママは簡単そうにやっているのに」「負けたくない」
そんな比較の気持ちが芽生えてくるのが、この時期の特徴です。
つまり、小さい頃は「純粋にできないもどかしさ」、大きくなるにつれて「周りと比べてしまう気持ち」が加わっていく。
子どもの心は、私たちが思っている以上に複雑に育っているのですね。

わが家の「自分で!」時代
息子は、本当に何でも「自分で!」とやりたがる子でした。
パジャマのボタン。たった3つしかないのに、どうしても自分で留めたくて、30分格闘していたこともあります。
手伝おうとすると「じぶんで!!」と絶対に触らせてくれません。
コップにお茶を注ぐのも、頑張って挑戦するけれど、こぼれてしまうとかんしゃくを起こす。
一つひとつのことに、とにかく時間がかかる。できるまで、絶対にやめようとしない。
毎日大変でした。笑
急いでいるときにこの「自分で!」が発動すると、こちらもイライラしてしまうことがありました。
「早くして」と言いたくなる気持ち、痛いほどわかります。
基本の関わり方3つ
① まず気持ちを代弁する
「自分でやりたかったんだね」
これだけで、子どもは「わかってもらえた」と感じます。
② 「全部」でなく一部分を任せる
まだ難しいことでも、作業を小さくすることで成功しやすくなります。
例えば、くつのマジックテープを剥がすところだけとか、着替えはシャツを脱ぐところだけなど、最後まで一人ではなく、一部を自分でできたことを大切にします。
③ すぐに手を出さず、短く待つ
困っているように見えても、すぐに手伝わず少し待ってみます。
試してほしい声かけ3つ
そうは言っても簡単にはいきませんよね💦
そんなときは、こんな声かけをしてみてください。
①選択肢を2つにする
何でも自由にすると迷いやすいので、現実的な2択にします。
例えば、「こっちの靴下とこの靴下どっちにする?」などと自分で選んでもらう。
②手伝い方を選ばせる
「少し手伝う?」「ボタン1つだけ手伝おうか?」などそんな風に聞くと、自分のやりたい気持ちを残しながら、必要な援助を受け入れやすくなります。
③できた部分を具体的に伝える
「すごい!」「えらい!」だけでなく、何ができたかを伝えます。
「片方自分で履けたね。」「難しかったけど、もう一回やってみたね。」など結果だけでなく、工夫、挑戦、立て直しを認めるのがポイントです。
時間がないときはどうすればいいの?
毎朝、子どもが納得するまで待つのは現実的ではありません。
そんなときは、まず見通しを伝えます。
「今日は急いでいるからズボンはママが手伝うね。くつはじぶんで履いてみようね。」など今日は時間がないから大人がやる。と明確に伝えても大丈夫です。
別の場面で自分でできる機会をつくってあげてください。
✅️自立とはすべてをひとりでやることでなく、大人の助けを借りながら自分でやってみる経験を積むことです。
今振り返って思うこと
あの頃、30分かけてボタンと格闘していた息子。
イライラしてしまったこともたくさんありました。
でも今思えば、あの「自分で!」を諦めずに繰り返した経験の積み重ねが、今の息子の粘り強さにつながっているのかもしれません。
うまくいかなくて泣いたり怒ったりする姿は、大変ですが、それだけ真剣に「自分でやりたい」と思っている証拠でもあります。
まとめ
- 「自分で!」は自我が育ってきた大切なサイン
- できなくて泣いたり怒ったりするのは、脳がまだ発達している途中だから
- 2〜3歳は「もどかしさ」、4〜5歳は「他者との比較」が理由になりやすい
- 気持ちを代弁する、一部分を任せる、短く待つことが効果的
- 選択肢を2つにする、手伝い方を選ばせる、できた部分を具体的に伝える
- 自分でやってみる経験を積むことが大切

「自分で!」に付き合うのは、大変です。
でもその一つ一つが、子どもの中に「やればできる」という自信を積み重ねています
🎵子どもの発達について、歌でわかりやすく解説しています YouTube「シロロ」もぜひご覧ください→歌と解説https://youtu.be/NDEdwQH6viU
→歌https://youtube.com/shorts/r3X-aTS2rEo
📚 参考資料
・アメリカ発達心理学における幼児期の
癇癪に関する研究データ
※本記事は保育現場での経験と
一般的な発達心理学の知見をもとに
執筆しています。


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