── まず身につけたい「納得してもらえる説明」の基本5ステップ
こんにちは、シロロです。
子どものことで不安を抱えた保護者に、どう声をかけ、どう説明すればいいのか——。
現場に立つ先生なら、誰もが一度は悩むテーマです。
Vol.1では、どんなケースでも応用できる
「納得してもらえる説明」の基本5ステップをわかりやすく紹介します。
このステップを押さえておくと、
・保護者との会話がスムーズになる
・説明に一貫性が出て安心感が伝わる
・不安の根っこに寄り添いながら話ができる
といった“先生の伝える力”が大きく変わります。
まずはここから。
次の Vol.2・3 の「実践編」にもつながる大切な基礎を一緒に整えていきましょう。
ステップ1 まずは「事実」を丁寧に共有する
多くの先生がいきなり “解釈” や “アドバイス” を伝えてしまいがちです。
しかし保護者は、まず 「何があったのか」 を正確に知りたい。
●例:噛みつき・手が出る場合
×「また噛んでしまって…」
〇「ブロックを並べていたとき、順番をめぐってトラブルになり、Aくんは思いを言葉にする前に手が出てしまいました」
ポイントは、感情を添えず“事実だけ” を淡々と。
感情や決めつけが入ると、保護者は「責められている」と感じやすいです。
ステップ2 次に “子どもの気持ちと発達の流れ” を伝える
事実の後に、
「なぜその行動になったのか?」
「発達のどんな段階なのか?」
を、専門家として補足します。
●例 :やさしい言葉で短く
・言葉で伝える力はあるけど、まだ感情が先に動いて手が出る
・興奮のコントロールは発達の途中
・“やりたい気持ち” が強い子は衝動が先に出る
・発達に凸凹がある子は刺激の受け取り方が違う
・疲れや生活リズムの乱れでも手が出やすくなる
専門的な話でも、“やさしい言葉で短く” がポイント。
保護者は、自分の子を「否定されたくない」気持ちが強いので、
“できていない” ではなく “今その途中にいる” という伝え方が大切です。
ステップ3 安心につながる「今できていること」を必ず伝える
いちばん大事な部分です。
保護者は問題行動の“悪い面”ばかり気にしがち。
でも先生が「その子の良いところ」「伸びているところ」を伝えることで、
保護者の不安がスッとほどけます。
●例:良さを伝える
「気持ちの切り替えは早いですよ」
「先生に“やっちゃった”って伝えられるのは成長です」
「友だちと遊びたい気持ちが強いから起きたことなんです」
“良さ” を伝えること=保護者への最大の寄り添い。
ステップ4 園での関わりかたを具体的に伝える
保護者は「園ではどうしているの?」を知りたい。
ここを曖昧にすると、安心できません。
●例:信頼が高まる
・興奮が高まる前に声をかけて環境を整えている
・ことばで言うのが難しいときは、代わりに言葉を添えている
・トラブル後は、気持ちを確認してからもう一度遊びに戻っている
・相手の子にも丁寧に説明している
日頃行っている関わりを丁寧に伝えるだけで、
「園はちゃんと見てくれている」
という信頼が一気に高まります。
ステップ5 家庭でできる“無理のない一歩”を提案する
ここが「納得してもらえる先生」になれる分岐点。
保護者は、言われたことが“できるレベル”なのかがとても気になります。
難しすぎると落ち込み、簡単すぎても響かない。
✔ オススメの伝え方
「お家では、できる範囲で大丈夫ですが…」
と言ってから、一つだけ提案する。
●例:1つだけ
・気持ちが乱れたとき、ぎゅっと抱きしめて安心を先に
・遊びの順番待ちなど、ゆるく練習してみる
・刺激に弱い日は早めに休む
・「困ってるときは教えてね」と前向きな声かけ
“1つだけ” にすることで、保護者は実践しやすく、
「やってみます」と前向きになれます。
まとめ|伝える力は、“知識” × “寄り添い” の積み重ねで磨かれる
保護者が不安になるのは、
「わが子がどう育っていくのかが見えない」から。
だからこそ先生は、
- 事実を丁寧に
- 発達の流れをわかりやすく
- 良いところも必ず伝え
- 園での関わりを示し
- 家庭でできる一歩を提案する
この5つのステップで、
“わが子の育ちが見える説明” を届けることができます。

これは若い先生でも、経験豊富な先生でもできる方法。
磨けば磨くほど、保護者との信頼関係が深まり、
子どもにとっての安心が増えていきます。
保護者の不安に寄り添うためには、まず先生自身が “落ち着いて状況を整理し、わかりやすく伝える土台” を持っていることが大切です。
次の Vol.2 では、今回お伝えした5つのステップを、実際の会話でどのように使えばより「安心してもらえる説明」につながるのか。
言葉選びのコツ や 説明の組み立て方 を、さらに具体的にお伝えします。
✴️【次の記事へ】
Vol.2 保護者の不安がスッと軽くなる ─ 先生が使える“安心を届ける言葉”と説明の組み立て方https://shiroronblog.com/fuankaruku/


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