─感触と発見を楽しむ“手の探検”
こんにちは、シロロです。
シリーズ第2弾は、子どもたちが大好きな「穴あけ」のあそび。
粘土の感触に出会い、指先の力と想像力をフルに働かせる活動です。
🟢 活動のねらい
- 粘土のやわらかさや抵抗感を通して感触を味わう
- 指先や手全体の力を使って素材に働きかける
- 穴を通して空間を意識し、友だちとつながる楽しさを感じる
🟠 活動の導入
テーブルの上に、しっかりとした粘土のかたまりをどん、と置きます。
はじめて粘土を前にした子どもたちは、
そっと指で触れてみたり、つんと押してみたり。
「やわらかそう」「冷たいね」そんな小さなつぶやきが聞こえてきます。
そして、やわらかいと感じた瞬間──指が“ぐいっ”と入り、
「あ!穴があいた!」
と、目を輝かせます✨
この瞬間こそ、粘土の魅力に引き込まれたサインです。
🟡 穴をあける感触の面白さ
子どもは一度穴があくと、その感触を確かめるように
何度も何度も繰り返します。
「ここにも!」「もっと深く!」
指や棒、手のひら全体を使いながら、“穴をあける”という感覚遊びに夢中になります。
やがて、イメージがふくらんでいきます。
「ありさんのおうち!」
「トンネルみたい!」
子どもたちは穴の世界に、物語を見つけ始めるのです。
🟣 トンネル掘りは、子どもの力と根気を引き出す遊び
山のようなかたまりを掘り進める「トンネル掘り」も、穴あけ遊びの延長です。
かなりの力と根気が必要ですが、子どもにとってはたまらなく魅力的な活動。
とくに人気なのは──
**「反対側から友だちと掘って、手がつながる瞬間」**です。
「わあ!つながったー!」
「〇〇ちゃんの手だー!」
トンネルが貫通したときの笑顔は、本当に輝いています😊
この“つながった”という喜びが、協働する楽しさを自然に教えてくれます。
🔵 穴あけ遊びを支える保育者の配慮ポイント
① 粘土の量をたっぷりと
穴を掘るにはある程度の厚みと粘着力が必要です。
1人分の小さな粘土では物足りず、力も発散できません。
大きなかたまりをグループで共有し、全身で関われるようにします。
② 体を使える環境設定
テーブルの上だけでなく、床や低い台で取り組めるようにすると、
子どもは腕や体全体を使って掘ることができます。
立ったり、のぞきこんだり、手を伸ばしたり──
そうした姿勢の変化が、身体感覚の育ちにつながります。
③ 感じたことを言葉にして返す
「手がどこまで入った?」
「トンネル、もう少しでつながりそうだね」
保育者が“結果”ではなく、“過程”に注目して言葉を返すと、
子どもは自分の感覚や発見を再確認できます。
🟤 穴あけあそびが育てるちから
- 触覚の発達:押す・掘る・感じる動きで手の感覚が豊かに
- 手指と腕の筋力:力加減を調整する体験
- 空間認識力:奥行きや距離を感覚的に理解
- 協力する力:友だちと力を合わせて“つながる”喜びを味わう
🟣 まとめ
粘土の「穴をあけよう!」あそびは、
単なる手先の活動ではなく、“感覚と発見”の遊びです。
やわらかい粘土を押す心地よさ、
掘り進めるワクワク感、
友だちと手が触れたときの喜び。
すべてが、子どもたちの「感じる・考える・つながる」経験を育てます。

保育者は、子どもの感触の世界にそっと寄り添いながら、
その手の中で生まれていく小さな発見を大切にしていきたいですね。
🌷次回は「Vol.3 まるめてみよう!」
──指先が語る、子どもの成長の物語をお届けします🌱


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