【幼児教育の「質」って何?】遊びが学びになる園・ならない園の違いがわかる視点

幼児教育の「質」って何?

こんにちは、シロロです。

「この園で、本当に大丈夫なのかな」
「遊んでいる時間が多いけれど、ちゃんと学べているの?」

幼児期の子どもを育てていると、
園の方針や日々の様子に、
ふと不安を感じることがありませんか?

ひらがなが読める、数が数えられる。
そんな“わかりやすい成長”を見ると、
「質の高い幼児教育なのかもしれない」と
安心する気持ちも自然なことです。

でも、幼児教育の「質」とは、
本当にそれだけで測れるものなのでしょうか。

同じ「遊び中心」に見える園でも、
子どもの育ち方には違いが生まれます。
その違いは、どこからくるのでしょう。

質の高い幼児教育は「早くできる」ことではない

幼児教育というと、
早くから読み書きや計算を始めることが
「質の高さ」だと考えられることがあります。

実際、就学前に基礎学力を身につけておくことで、
小学校入学時に有利になると考える園もあります。
基礎学力を大切にする考え方そのものが、
間違いだというわけではありません。

一方で、中室牧子さんの著書では、
子どもが最もよく学ぶのは
積極的で自発的な探索を通してである
と述べられています。

どれだけ上手にできるかよりも、
子ども自身が
「やってみたい」「知りたい」と感じていること、
その熱意や関心こそが、学びの土台になるという考え方です。

同じ「幼児教育」でも、重視している軸は違う

幼児教育の現場を見ていると、
大きく分けて二つの軸があるように感じます。

ひとつは、
子どもの関心や経験を大切にし、
遊びの中で考える力や主体性を育てようとする関わり。

もうひとつは、
就学前から読み・書き・算数といった
基礎学力を身につけることを重視する関わりです。

データでは、
子どもの長期的な学びや非認知能力に影響するのは、
早期の学習量よりも、
どんな経験を、どんな関わりの中で積んだか
であることが示されています。

それでも現実には、
・成果が目に見えやすい
・家でのフォローが少なくて済む
・「ちゃんとできている」と安心できる

こうした理由から、
保護者にとって都合のよい園が「いい園」に見えやすい
という側面もあります。

これは、保護者が悪いのではありません。
わが子を思うからこそ、
確かなものを求めたくなるのは当然のことです。

遊びが「学びになる園」に共通する関わり方

では、遊びが学びにつながっている園では、
どんなことが大切にされているのでしょうか。

それは、特別な教材やカリキュラムではありません。

✅️子どものつぶやきや疑問を拾っている
✅️すぐに答えを教えず、考える時間を待っている
✅️うまくいかない経験も、やり直す機会として受け止めている
✅️結果よりも、試行錯誤の過程を大切にしている

こうした関わりがあると、
遊びは「ただ楽しい時間」で終わらず、
自然と学びへとつながっていきます。

学びにつながりにくい園で起こりやすいこと

反対に、遊びが学びにつながりにくくなる状況もあります。

・大人の都合が優先されやすい
・「早く」「静かに」「間違えない」が多くなる
・活動が“こなすもの”になってしまう
・忙しさの中で、子どもの気持ちが見えにくくなる

これは、園や先生の姿勢が悪いというより、
環境や余裕のなさから起こりやすいことです。

だからこそ、
「できているか」だけでなく、
どんな関わりが行われているかを見る視点が大切になります。

危機のときにこそ表れる、幼児教育の「質」

実は、幼児教育の質は、
日常だけでなく
予期せぬ出来事が起きたときにも影響する
ことが、データから示されています。

たとえば、感染症の拡大などで
生活が大きく変わったとき。

活動が制限され、不安が広がる中でも、
自分で考え、気持ちを調整する力を育んできた子どもは、
ストレスの影響を受けにくい傾向があります。

これは、特別な知識を教え込まれたからではありません。

日頃から
・自分で選ぶ
・試してみる
・失敗してもやり直す
・気持ちを言葉にする

そんな経験を積み重ねてきたことが、
変化の大きい状況の中で、子ども自身を支える力
になっているのです。

幼児期の経験が、長い時間をかけて活きることもある

ここで、ひとつ個人的な話をさせてください。

私の息子は、高校3年生のときにコロナの流行を経験しました。
大学入学の時期も、まだ制限の多い2年目。
多くのことが予定通りに進まない状況でした。

それでも本人は、必要以上に動じることなく、
「面接がなくなってラッキーだった」と、
起きている出来事をそのまま受け止めていました。

入学後は、サークルに入るタイミングを逃すなど、
思い通りにいかないこともありましたが、
「今できること」として、
リモート授業の間に単位を着実に取っていく。
そんな選択をしている姿がありました。

今では、優しく賢い友だちにも恵まれ、
ゲームをしたり、スポーツをしたりと、
学生生活を楽しんでいる様子があります。
その姿を見て、
自分なりのペースで、人と関わり、日々を味わいながら、
幸福な人生を歩めているのだと感じ、安心することがあります。

もちろん、性格による部分もあると思います。
それでも、幼児期にたくさん遊び、
自分で選び、試し、失敗する経験を重ねてきたことが、
変化の大きい状況の中でも、
自分なりに考えて行動する力につながっているのかもしれません。

幼児期の経験や体験が、
20年という長い時間を経て、
思いがけない形で活かされることもある。
これは、そのひとつの例だと感じています。

子どもにとって本当に必要な「質」を見分ける視点

園を選ぶとき、また今通っている園を見るときに、
こんな視点を持ってみてください。

✅️何ができるようになったかより、
 どんなふうに取り組んでいるか
✅️作品や成果だけでなく、
 子どもの言葉や気持ちが伝えられているか
✅️学力を教える前に、
 学びたくなる経験が守られているか

これらは、
子どもにとっての「質」を見分ける大切なヒントになります。

👇️あわせて読みたい
幼児期の遊びが、なぜ「学び」につながるのかを、
現場のエピソードからもう少し具体的に書いた記事があります。

✴️ピーナッツダンスから広がった、子どもたちの“育ちの物語”https://shiroronblog.com/ratukasei/

まとめ

幼児教育の「質」は、
早く何かができるようになることではありません。

子どもが安心して、
「やってみたい」「もう一回やりたい」と
夢中になれる時間が守られていること。
そして、その気持ちを信じて待ってくれる大人がいること。

そうした経験の積み重ねは、
学力だけでなく、
予期せぬ出来事に出会ったときにも、
子ども自身を支える力になります。

シロロ
シロロ

園を選ぶときも、
今通っている園を見るときも、
この環境で、この子は安心して挑戦できているかな?
そんな視点を持てたら、
幼児教育の「質」は、きっと見えやすくなるはずです。

📚️参考文献:科学的根拠で子育て (中室牧子)

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