── 先生が使える“安心を届ける言葉”と説明の組み立て方
こんにちは、シロロです。
Vol.1では、保護者に「納得してもらえる説明」の基本ステップを整理しました。
Vol.2では、そのステップを “どう言葉にするか” に焦点を当てていきます。
保護者が不安を抱えるとき、欲しいのは
「気持ちをわかってもらえた安心」と「見通しの持てる説明」 の2つ。
この Vol.2では、
・安心を届ける言葉の選び方
・説明の組み立て方
・伝える順番で印象が変わるポイント
など、先生がすぐに使える“実践的な伝え方”をまとめました。
読むほどに、「こう言えばよかったんだ」が増えていく内容です。
次の Vol.3 のケース別対応にもそのまま活かせます。
保護者が不安になるのは「愛情」と「責任」があるから
保護者は、先生より長い時間その子と人生を歩みます。
だからこそ、些細なことでも不安になったり、言葉が強くなってしまうこともあります。
- 他の子と比べて遅れている気がする
- どう関わったらいいかわからない
- この行動は大丈夫なのか心配
保護者の不安は “過剰” ではなく、それだけ深く愛しているから。
先生がまず「不安になるのは自然なことですよ」と理解して寄り添うだけで、
保護者の心はふっとやわらかくなります。
若い先生も、経験を積んだ先生も、それぞれに大切な役割がある
園ではさまざまな年代の先生が働いています。
それぞれの強みが違うからこそ、チームで関わることに意味があります。
◎ 若い先生の強み
- 子どもと身体をめいっぱい使って遊べる
- 子どもの気持ちにパッと寄り添いやすい
- 明るさとフレッシュなエネルギーが魅力
◎ 経験を積んだ先生の強み
- 子どもの発達と行動の背景を深く理解している
- 保護者対応の経験が豊富
- 若い先生の悩みをフォローできる
園の先生全員が、
子どもを真ん中にしてつながるチーム であることが、保護者に大きな安心を届けます。
子育て経験がなくても“専門知識”で十分カバーできる
若い先生の中には
「私はまだ子育て経験がないから…」
と不安を感じる方もいます。
でも、保護者が求めているのは
経験より “安心できる説明”。
- 子どもの発達の流れ
- その行動がどんな成長につながるか
- どう関わると安心するか
こうした“知識”があるだけで、言葉に自信が生まれます。
そして、保護者も「この先生は分かってくれてる」と感じるのです。
まずは保護者の気持ちをしっかり受け止めることから始まる
信頼関係づくりの最初の一歩は、
“解決” ではなく “受け止めること”。
- 「毎日大変ですよね」
- 「その気持ち、すごくわかります」
- 「心配になりますよね」
このひとことがあるかないかで、保護者の安心感は大きく変わります。
人は、安心してからでないと説明は耳に入りません。
だからこそ、最初に寄り添う姿勢が大切。
伝えるスキルは練習すれば必ず身につく
説明はセンスではなく「技術」です。
そして、技術は誰でも磨けます。
◎ 説明の基本はこの流れ
- 安心を伝える(気持ちの受け止め)
- 事実を伝える(今どんな状況か)
- 理由を伝える(発達・背景・子どもの意図)
- 家庭でできることを少しだけ提案
- 最後にまた安心の言葉で締める
この流れを意識するだけで、保護者は “納得して前向き” になります。
園全体が同じ方向を見ることが、最高の信頼につながる
信頼関係は、担任だけでつくるものではありません。
- バスの運転手さん
- 添乗の先生
- 受付・事務の先生
- 園長先生
- 補助の先生
- 担任・副担任
すべての職員が
「子どもを真ん中に」
という軸で関わることで、園全体の空気が整い、保護者の安心も大きくなります。
“園全体で子どもを見守る体制” は、信頼の土台になるのです。
まとめ:寄り添い × 専門性 × チーム力 が信頼を育てる
保護者の不安は、誰が悪いわけでもありません。
でも、先生が
- 気持ちに寄り添い
- 専門知識をもって説明し
- 園全体で支え合う
この3つが揃うと、保護者は
「この園に預けてよかった」
と深い信頼を寄せてくれます。

経験年数に関わらず、どの先生にもできること。
そして、“伝える力” は練習すれば必ず身につきます。
この積み重ねが、子どもたちの安心にもつながっていきます。
言葉の選び方や説明の組み立て方がわかると、保護者との会話はぐっとスムーズになります。
ただ、実際には “特に不安が大きくなりやすい場面” や “誤解が生まれやすい行動” もありますよね。
次の Vol.3 では、噛みつき・叩く・手が出る行動を取りあげ、
なぜ起こるのか?どう説明すれば納得してもらえるのか?
具体的な言葉かけの例とともに、現場で使える伝え方を詳しく解説します。
✴️【次の記事へ】
Vol.3 噛みつき・叩く・手が出る行動── 行動の理由から伝え方まで、保護者が納得する説明のコツhttps://shiroronblog.com/kamituki/


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