こんにちは、シロロです。
「友だちと遊ばず、ひとりでばかり遊んでいるんです。大丈夫でしょうか?」
園で働いていると、保護者からこんな相談をよく受けます。
でも実はその姿、“心配”よりも“その子らしさがしっかり育っているサイン” であることが少なくありません。
子どもが“今はあの子と遊びたいんじゃなくて、この遊びをしたい”と選んでいるのは、とても自然で健全な姿。そして最近は、大人が「これやってみたら?」と次々と提示してしまうことで、子どもが没頭する経験が育ちづらくなっている…そんな背景もあります。
この記事では、
・友だちの輪に入らない子が実は育んでいる力
・没頭する時間が子どもの幸せにつながる理由
・大人ができる環境づくりとほめ方
を、現場経験からわかりやすくお伝えします。
“輪に入らない”のではなく“今はこの遊びを選んでいる”だけ
大人から見ると「友だちの中に入らない」ように見えても、子どもはただ “自分の今やりたいこと”を優先しているだけ という場合がほとんどです。
- あの子と遊びたい気分じゃない
- 今日はこの砂の感触をずっと楽しみたい
- ひとりで積み木の世界に集中したい
子どもの世界はとてもシンプルでまっすぐです。
発達段階にも、並行遊び → 連合遊び → 協同遊びと流れがあり、
「みんなで協力して遊ぶ」段階は、無理に促してできるものではありません。
没頭できる子は伸びる。「好きなことに時間が経つ」ことは、幸せの土台
最近は、大人が先回りして遊びを切り替えさせたり、時間を管理しすぎたりして、“没頭する経験”が育ちにくい子が増えていると言われます。
でも実はこの“没頭する力”は、
これからの時代を生きる子どもにとって、大切なスキルなんです。
- 自分で選べる
- 自分で続けられる
- より良くしたいと工夫できる
- 時間を忘れるほど打ち込める
これは、そのまま大人になってからの “幸せに向かう力”につながります。
趣味、仕事、学び、人間関係…どれも「自分で楽しむ力」がある人は心が安定します。
努力や挑戦を「結果じゃなく過程」でほめると、子どもはさらに育つ
没頭していると、必ず うまくいかない瞬間 があります。
そこを乗り越える力こそ、大切な成長。
大人がほめるときは、以下がポイントです。
- 「最後までやってみたね!」
- 「自分で考えてすごいね」
- 「さっきより工夫したね」
- 「もう一回挑戦しようとしてる姿、いいね」
結果ではなく“努力・挑戦・継続”をほめる と、
子どもは自己肯定感と粘り強さを同時に育てていきます。
魅力的な遊びを“環境”として用意すれば、自然と友だち関係は育つ
「友だちと遊ばせたい」ときは、直接「一緒に遊びなさい」と言うよりも、
大人が“つながりたくなる環境”をつくるほうがずっと効果的。
例えば砂場では…
- 大きな山をつくる
- 水を流して川をつくる
- 穴をつないで迷路にする
こうした ダイナミックで魅力的な遊び は、子どもを自然と引き寄せます。
ひとりで始めても、気づけば3~4人集まって、役割が生まれ、協力が生まれていきます。
無理に誘わなくても、環境がつないでくれるのです。
✴️こちらの記事もおすすめ👇️
4・5歳児泥粘土でダムをつくろう!https://shiroronblog.com/damu/
砂場あそびhttps://shiroronblog.com/kawayama/
子どものペースを尊重することで、長い目で“人との関わり”が育つ
今日はひとり、明日は友だちと、また翌日はひとり。
子どもの関わり方は、その日の気分や心の状態で揺れ動きます。
どの姿もその子の一部。
大人の安心が、子どもに安心として返ってきます。
まずは「ひとりで遊べている=自分の世界を楽しめている」ことを認めること。
それが、友だち関係の土台になります。
✴️こちらの記事もおすすめ👇️
子どもたちの”好き”が広がる瞬間https://shiroronblog.com/kinoko/
まとめ
- 友だちの輪に入らないのは「問題」ではなく「自然な成長の姿」
- 没頭する経験は、子どもの幸せを支えるスキル
- 努力や挑戦をほめることで、粘り強さと自己肯定感が育つ
- 大人は“環境を整える”ことで、自然な関わりを支えられる

友だちと遊ぶかどうかよりも、
「その子が今どんなふうに心と体を使って遊んでいるか」 に目を向けてみてください。
その視点は、子どもの未来をぐっと豊かにしてくれます。


コメント