── 行動の理由から伝え方まで、保護者が納得する説明のコツ
こんにちは、シロロです。
保護者対応の中でも特に相談が多いのが、
噛みつき・叩く・手が出る行動についての話し方です。
先生がどれだけ丁寧に伝えても、
・責められているように感じてしまう
・我が子のことだから冷静になれない
という“特別な不安”が重なりやすいテーマでもあります。
Vol.3では、
行動の理由 → 受け止め方 → 説明の仕方 → 事後のフォロー
まで、保護者が納得しやすい流れで伝えるコツを具体例つきで紹介します。
Vol.1・Vol.2 で整理した
「不安に寄り添う伝え方」「安心を届ける言葉選び」が、
このケースでどのように活きるのか――
現場でそのまま使える“実践の完全版”です。
🔶なぜ「噛みつき・叩く」は保護者の不安が強くなるのか
噛みつきや叩く行動は、
発達の過程では決して珍しいものではありません。
それでも保護者が強い不安を感じるのは、
- 「うちの子だけでは?」
- 「将来も続くのでは?」
- 「周りに迷惑をかけていないか」
という “我が子を守りたい気持ち” が強く働くからです。
この背景を理解せずに、
行動だけを伝えてしまうと、
保護者は「責められた」「否定された」と感じやすくなります。
🔶まず先生が押さえておきたい「行動の理由」
噛みつき・叩く行動の背景には、さまざまな理由があります。
- 言葉で気持ちを伝える力が育ち途中
- 感情のコントロールがまだ難しい
- 集団生活の刺激が強い
- 疲れや不安、環境の変化
- 発達特性や感覚の過敏さ
大切なのは、
「この子は今、何を伝えたかったのか」
という視点で見立てること。
この見立てが、保護者への説明の“軸”になります。
🔶保護者が納得しやすい「説明の順番」
伝える内容よりも大切なのが、説明の順番です。
おすすめの流れは次の5つ。
① 事実を落ち着いて伝える
「今日、お友だちとのやりとりの中で、手が出る場面がありました」
② 子どもの姿を具体的に伝える
「おもちゃを取られて、言葉が出る前に体が動いたようでした」
③ 行動の理由を説明する
「この時期は、気持ちを言葉にする途中なので、こうした行動が出ることがあります」
④ 園での関わりを伝える
「すぐに気持ちを言葉にし、安心できるように関わっています」
⑤ 今後の見通しを示す
「言葉の力が育つにつれて、少しずつ変わっていくと考えています」
この順番で話すことで、
保護者は「責められていない」「理解してもらえている」と感じやすくなります。
🔶「安心を届ける言葉」が信頼をつくる
保護者の不安が強い場面ほど、
最初の一言 がとても大切です。
たとえば――
- 「驚かせてしまってすみません」
- 「ご心配な気持ち、もっともだと思います」
- 「園でも同じように気にかけて見ています」
こうした言葉があるだけで、
保護者の心は少し緩み、話を受け止めやすくなります。
🔶先生ひとりで抱えない。園全体で支える姿勢を伝える
噛みつき・叩く行動は、
担任ひとりで対応しているように見えると、
保護者は不安を抱え続けてしまいます。
- 他の先生も様子を共有している
- 園長・補助・バス担当とも連携している
- 園全体で見守っている
この姿勢を伝えることで、
「ひとりで悩まなくていいんだ」 という安心につながります。
🔶【まとめ】
噛みつき・叩く・手が出る行動は、
子どもが成長の途中で見せる、大切なサインでもあります。
先生にできることは、
行動をただ報告するのではなく、
その背景を理解し、保護者の不安に寄り添いながら伝えること。
- 行動の理由を見立てる
- 説明の順番を意識する
- 安心を届ける言葉を添える
- 園全体で支える姿勢を伝える

これらを大切にすることで、
保護者は少しずつ落ち着き、
先生への信頼も深まっていきます。
今回の Vol.3 は、
Vol.1・Vol.2 で整理してきた
「不安に寄り添う伝え方」「安心を届ける説明」 を
最も難しいケースで実践する内容でした。
▼ 基本から学びたい方はこちら
✴️ Vol.1 保護者の不安に寄り添う伝え方 ─ 納得してもらえる説明の基本5ステップhttps://shiroronblog.com/tutaeru/
▼ 言葉選びを深めたい方はこちら
✴️ Vol.2 保護者の不安がスッと軽くなる ─ 安心を届ける言葉と説明の組み立て方https://shiroronblog.com/fuankaruku/


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