こんにちは、シロロです。
春から初夏にかけて、育てられる「カイコ」。
実はこれ、子どもたちに“生きる”をまるごと教えてくれる最高の教材なんです。
■ クワの葉さえあれば育てやすい
カイコって、昔から大切にされてきた生き物。
クワの葉さえあれば、だれでも簡単に育てられます。
しかも、卵(ケゴ)からサナギ、そして産卵までの変化がとにかくドラマチック!
「生き物の成長」や「いのちのつながり」を実感できるんですね。

■ ケゴのころは“うごめく命”
ケゴのころは、黒くて小さくて、やっと生きているのがわかるくらい。
でも子どもたちは、柔らかいクワの葉を小さくちぎって、毎日せっせとお世話します。
「昨日より大きくなった!」
「葉っぱを食べてる音がする!」
日々の変化に気づき、育てる喜びを感じはじめます。
■ 脱皮を重ねてぐんぐん成長!
カイコは3週間ほどの間に3回脱皮します。
そのたびに、ひと回りもふた回りも大きくなる。
手のひらにのせると、冷たくてしっとりした感触。
子どもたちは「くすぐったい〜」と笑いながら、命の存在を肌で感じます。
(※カイコは手の脂が苦手なので、扱いはそっと)
■ 当番の子の“責任感”が育つ
クワの葉しか食べないカイコ。
しかも、雨で濡れた葉は食べません。
だから当番の子は、1枚ずつ丁寧に拭いてからあげるんです。
この丁寧さ、まるで小さな飼育員さん。
子どもたちは「責任を持つこと」を自然に学びます。
■ まゆを作る瞬間の“神秘”
ある日、カイコのお腹がアメ色に透き通ってきます。
いよいよ糸を出して、まゆづくりの始まりです。
一夜にして真っ白なまゆの中に隠れてしまう姿は、まさに神秘的。
子どもたちの心が動く瞬間です。
■ 絵で“感じたこと”を表現する
観察して終わりじゃもったいない!
感じたこと、発見したことを絵にすることで、体験がぐっと深まります。
- 4歳児:4つ切り色画用紙に絵の具でのびのびと。
→ 「大きくなったカイコ」や「まゆ」を感じたままに描く。 - 5歳児:2B程度のやわらかい鉛筆で線画。
→ 部分への興味や観察した細かい発見を表現。
鉛筆の先はとがらせず、子どもが力を調節しやすいようにしておくのがコツです。

■ 発見を共有することで世界が広がる
「カイコのうんち、大きくなってる!」
そんな気づきも立派な学び。
紙に並べてみると、成長の証が目に見えてわかります。
子どものつぶやきから新しい視点が生まれ、
それが次の活動へとつながっていくんですね。
■ まとめ:カイコは“いのちの先生”
カイコの飼育は、観察・責任感・表現力のすべてが詰まった教材。
「命を大切にする」って、言葉じゃなく“体験”で伝えたいですよね。
クワの葉を運ぶ小さな手、
まゆを見つめる真剣なまなざし。

その一つひとつが、確実に“心の育ち”につながっています。


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