〜小さな命との出会いが、子どもの心を育てる〜
こんにちは、シロロです。
4月。新しい園生活が始まる季節。
泣いて登園する子、先生にしがみつく子、ちょっと緊張した表情の子。
そんな中で、子どもたちを助けてくれる頼もしい存在がいます。
そう、ダンゴムシです。
🌱 ダンゴムシは、はじめての“友だち”
春の園庭のすみっこ。
落ち葉の下をめくってみると、コロコロ動く黒い小さな生き物。
つまんだ瞬間、くるんと丸まる!
「わー!まるくなったー!」
そのしぐさに、子どもたちは夢中です。
かみつかない。逃げ足もおそい。
そして、どこにでもいる。
まさに、**はじめての“生き物の友だち”**にぴったりです
遊びがどんどん広がる
ある日、園庭でダンゴムシを見つけた子が言いました。
「ここにもいるよー!」
その声で、子どもたちが一斉に集まってきます。
しゃがんで、土をさわって、じっと観察。
捕まえては、片手に持ったプリンカップに入れていきます。
つぶさないようにそーっと。
捕まえるのが楽しくて・・・
毎日毎日ダンゴムシ探し。
先生がダンゴムシのお面を作ってくれると、もう大盛り上がり!
「ダンゴムシごっこ」がはじまります。
ダンゴムシの歌を歌いながらお散歩していると、先生が言うんです。
「大変!つかまっちゃうよー!」
すると子どもたちは一斉に体を小さく丸めます。
「もう大丈夫みたい」と言うと、そっと体を起こしてまた歩き出す。
このやり取り、ほんの数分のあそびなんですが、
この繰り返しが、子どもたちの心をつなぎ、安心感を生み出していくのです。
ダンゴムシの歌♫
おだんごころころだんごむし はっぱのかげで かくれんぼ
つかまっちゃうとびんのなか
にげろやにげろ だんごむし
表現活動へつなげていく
ダンゴムシへの興味は、やがて「描いてみたい」という気持ちへとつながります。
4歳児は、「足がいっぱいあるね!」と言いながら、いくつもいくつも足を描く子も。
見た通りではなく、“知っていること”を描くのが幼児期の絵です。
1匹だけ描かれたダンゴムシも、どこか言葉を発しているように見えることがあります。
そんな時に大人が「もっといっぱい描いてごらん」「お花も描こう」などと声をかけてしまうと、
子どもが感じている世界やイメージを壊してしまうこともあります。
子ども一人ひとりのつぶやきや思いを、そのまま大切に受け止めること。
それが表現の原点なのだと思います。
👇️4歳の子が描いたダンゴムシ(絵の具)

🌼 命を感じ、心が育つ
ダンゴムシは、ただの「虫」ではなく、
子どもたちにとって「心を動かしてくれる存在」です。
観察し、遊び、描く─そんな体験を通して、
子どもたちは「命あるものにやさしくする心」「相手を思いやる心」を育てていきます。

春の園庭での小さな出会いが、
子どもの心に、命のぬくもりを残してくれるのです。


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